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ガンで声を失った天才オペラ歌手と彼を信じて支えた日本人音楽プロデューサー。
不屈の魂から生まれた、世界でただひとつの奇跡と感動の実話。
日本でも様々なテレビ番組で紹介された感動の実話が遂に映画化! 「100年に一人の声を持つテノール」(イギリス・タイムズ紙)として、ヨーロッパのクラシック界でその名を轟かせたオペラ歌手、ベー・チェチョル。しかし、そんな彼を思いがけない悲劇が襲う。チェチョルは癌に冒され、一命は取りとめたものの、歌手としての命=声を失ってしまったのだ。残酷な運命に打ちのめされるチェチョル。そんな彼に手を差し伸べたのは日本人の親友だった。そして、二人は希望の光を求めて苦難の道のりを共に歩き出す……。
この奇跡の物語を映画化するにあたって、日韓の映画界を代表するスターが初顔合わせをした。まず、主人公のベー・チェチョルを演じるのは、韓国映画界のホープ、ユ・ジテ。親友の音楽プロデューサー、沢田幸司を演じるのは伊勢谷友介。沢田のアシスタント美咲役には、若手女優きっての演技派、北乃きい。同い歳で共に監督としての顔も持つユ・ジテと伊勢谷は、出会ってすぐに意気投合。二人が演じた役柄そのままに友情で結ばれ、その関係が映画にリアルな情感を生み出している。
製作は、韓国の映画制作会社「モア・イン・グループ」、日本の企画会社「ソーシャルキャピタル・プロダクション」、日本の音楽プロダクション「ヴォイス・ファクトリイ」による日韓合作。2014年6月の上海国際映画祭にて、ワールドプレミア上映を行い喝采を浴びた。
挫折や絶望に打ち砕かれて生きる希望を失ってしまう。そんな悲劇は誰の身にも起こりうること。重要なのはそこからどうやって自分の人生を取り戻すかだが、その信じられないひとつの答えがここにある。音楽を通じて結ばれた絆。そして、不屈の魂が生み出した真実の物語がオペラのようにドラマティックに描き出されるなか、予想を超えた感動のステージがいま幕を開ける!
オペラ歌手、ベー・チェチョル(ユ・ジテ)の未来は輝いていた。彼は繊細で力強い類希な歌声〈リリコ・スピント〉を持ち、その歌声はオペラの本場ヨーロッパの観客を魅了して、「100年に一人の声を持つテノール」と絶賛された。舞台ではスポットライトを浴び、家では愛する妻のユニ(チャ・イェリョン)と一人息子に囲まれた幸福な日々。チェチョルは成功に酔いしれていた。そんななか、公演を終えたチェチョルに、沢田幸司(伊勢谷友介)と名乗る日本人の音楽プロデューサーが声をかけてきた。チェチョルの歌声に惚れ込んだ沢田は、ぜひ日本のオペラ公演で主役として出演して欲しいと熱心に頼み込む。韓国人のオペラ歌手を招聘することは大きな賭けだったが、フタをあけてみれば日本での公演は大成功。その打ち上げで、沢田のアシスタントの美咲(北乃きい)はギターの弾き語りでチェチョルに歌を捧げ、沢田は辛い生い立ちのなかで常に音楽に支えられてきたことを告白する。仕事の付き合いを越えて心が触れ合った夜。この日以来、チェチョルと沢田は固い絆で結ばれた。
意気揚々とヨーロッパに戻ったチェチョル。ところが、自分の次のシーズン公演の「オテロ」公演の練習中に、突然意識を失って倒れてしまう。医師がくだした診断は甲状腺癌。手術でなんとか命をとりとめたものの、その代償は大きかった。手術中、声帯の片方の神経が切れてしまい、彼は二度と歌う事ができなくなってしまったのだ。その事実を受け入れることができず、ただ呆然とするチェチョル。劇場から契約を切られ、なす術もなく韓国に帰国するしかない。絶望の淵に追いやられたチェチョルを、妻のユニ(チャ・イェリョン)と沢田は懸命に支えた。そして、チェチョルの声を取り戻せるかもしれない一人の日本人医師を見つける。しかし、医師も躊躇するような手術だけに、成功の確率は限りなく低い。それでもチェチョルは自分の声を、人生を取り戻すために運命の手術に挑んだ。果たして、彼は再び舞台に立つことができるのか……。
誰も寝てはならぬ 歌劇「トゥーランドット」より
COMPOSER:GIACOMO PUCCINI / LIBRETTIST:GIUSEPPE ADAMI,RENATO SIMONI / TENOR:JUNG SANG-HYUK
作曲:ジャコモ・プッチーニ / 台本:ジュゼッペ・アダーミ、レナート・シモーニ / テノール:ジョン・サンヒョク
アンヴィル・コーラス 歌劇「イル・トロヴァトーレ」より
COMPOSER:GIUSEPPE VERDI / LIBRETTIST:SALVADORE CAMMARANO
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ / 台本:サルヴァトーレ・カンマラーノ
炎は燃えて 歌劇「イル・トロヴァトーレ」より
COMPOSER:GIUSEPPE VERDI / LIBRETTIST:SALVADORE CAMMARANO / MEZZO-SOPRANO:DRAGANA POPPVIC
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ / 台本:サルヴァトーレ・カンマラーノ / メゾ・ソプラノ:ドラガナ・ポポヴィッチ
女心の歌 歌劇「リゴレット」より
COMPOSER:GIUSEPPE VERDI / LIBRETTIST:FRANCESCO MARIA PIAVE / TENOR:BAE JAE-CHUL
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ / 台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ / テノール:ベー・チェチョル
主よ!あなたは私の頭上に 歌劇「オテロ」より
COMPOSER:GIUSEPPE VERDI / LIBRETTIST:ARRIGO BOITO / TENOR:JUNG SANG-HYUK
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ / 台本:アッリーゴ・ボーイト / テノール:ジョン・サンヒョク
私を恐れるな 歌劇「オテロ」より
COMPOSER:GIUSEPPE VERDI / LIBRETTIST:ARRIGO BOITO / TENOR:BAE JAE-CHUL
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ / 台本:アッリーゴ・ボーイト / テノール:ベー・チェチョル
私を泣かせてください 歌劇「リナルド」より
COMPOSER:GEORGE FREDERIC HANDEL / LIBRETTIST:GIACOMO ROSSI / VOCAL KIE KITANO
作曲:ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル / 台本:ジャコモ・ロッシ / 歌:北乃きい
フェデリコの嘆き 歌劇「アルルの女」より
COMPOSER:FRANCESCO CILEA / LIBRETTIST:LEOPOLD MARENCO / TENOR:BAE JAE-CHUL
作曲:フランチェスコ・チレア / 台本:レオポルド・マレンコ / テノール:ベー・チェチョル
ああ、美しい人 歌劇「イル・トロヴァトーレ」より
COMPOSER:GIUSEPPE VERDI / LIBRETTIST:SALVADORE CAMMARANO / TENOR:BAE JAE-CHUL
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ / 台本:サルヴァトーレ・カンマラーノ / テノール:ベー・チェチョル
見よ、恐ろしい炎を 歌劇「イル・トロヴァトーレ」より
COMPOSER:GIUSEPPE VERDI / LIBRETTIST:SALVADORE CAMMARANO / TENOR:BAE JAE-CHUL
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ / 台本:サルヴァトーレ・カンマラーノ / テノール:ベー・チェチョル
恋は薔薇色の翼に乗って 歌劇「イル・トロヴァトーレ」より
COMPOSER:GIUSEPPE VERDI / LIBRETTIST:SALVADORE CAMMARANO / SOPRANO:HAN YEH-JIN
作曲:ジュゼッペ・ヴェルディ / 台本:サルヴァトーレ・カンマラーノ / ソプラノ:ハン・イェジン
アメイジング・グレイス
COMPOSER:TRADITIONAL / LYRICS:JOHN NEWTON / TENOR:BAE JAE-CHUL
作曲:不詳 / 作詞:ジョン・ニュートン / テノール:ベー・チェチョル
1969年韓国生まれ。漢陽大学を卒業後、イタリアのヴェルディ音楽院を首席で卒業。1998年、ハンガリー国立歌劇場にてデビュー後、ヨーロッパの名門オペラハウスでソリストとして活躍。世界的にも貴重な「リリコ・スピント」の声質を持ち、本場各地でも大きな成功を収める。日本では、2003年9月オーチャードホール公演「イル・トロヴァトーレ」でデビューを飾った。
2005年、甲状腺癌に倒れ、その摘出手術の際、声帯と横隔膜の両神経を切断。歌声に加え、右側の肺の機能を失う。しかし、多くのファンの支援のもと2006年、京都大学名誉教授・一色信彦医師による甲状軟骨形成手術を受ける。厳しいリハビリの日々を経て、2008年より教会などでの演奏を再開。奇跡とも言える復帰を遂げた。